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2020.12.20

遅すぎるミクスチャーロックの洗礼 / Red Hot Chili Peppers 「Blood Sugar Sex Magik」

 

1990年代終盤から2010年までちょうど12年足らずの間、自分で立ち上げた小さい商売に携わっていました。具体的にいうと郊外のベッドタウンでアパレル雑貨の小売店を経営していました。
年齢で言えば、ちょうど28歳から40歳くらいまで。すごく儲かってるとは決して言えませんが、あちこちで借金をしながらも、なんとか食べることに困らず続けて行く事が出来て、最後には全ての借金を返し終えて、無事店を畳みました。
時代は、ちょうどアパレルが店舗販売からネット販売に少しづつ動き出した頃でした。

 

2010年の段階では、まだ洋服をインターネット通販で買うなんて論外という風潮も強く、今みたいな時代が来るとは、多くは思いもしなかったと思います。
もう今や本やCDは当たり前で、携帯電話の契約や生命保険や銀行までもが、オンラインで全て完結する世の中になってますもんね。

 

あらためてコネやお金のない未熟な一介の若造が、アナログな商店を(たいして儲からないとはいえ)真っ当に経営出来てたんですから、いい時代にいい経験をさせて頂いたなぁって思っています。
その頃は、僕自身も若かった事もあって、顧客さんとの距離も無防備に近くて、飲みに行ったり、定期的にバーベキューに行ったり旅行に行ったりなんて事や、顧客さん一人ひとりとの関わり方が本当に密でワイワイと、今思えば本当にいい時代だったんだなぁと思います。

 


 

さて、前置きがかなり長くなりました。
今日はそんな時期に、当時大学生だった顧客さんから借りた1枚のCDの話です。
当時28歳の僕は洋服屋で食べていくと決意して、10代から続けていた音楽活動も一旦封印していました。
たまに自宅でアコースティックギターをポロポロ弾くくらい。
音楽の趣味自体は、やはり今と対して変わらず、ジャズ、ブルース、R&Bのいわゆる黒人音楽で、それもちょっと古めのものばかり聴いていたのですが、
ただ今と違うのは、当時はそれしか聴かないという、いい意味でストイック、悪く言えば意固地なものでした。

 

Red Hot Chili Peppersをアルバム通してちゃんと聴いたのは、当時よくお店に通っていてくれていた大学生の顧客さんにこのアルバムを半ば強引に勧められて、疑い半分で聴いたのが初めてです。
当時28歳ですからまさに遅すぎるミクスチャーロックの洗礼。
「Blood Sugar Sex Magik」のリリース自体が1991年ですから世間から7年遅れでこのアルバムを手にしたことになります。

 

もちろん、91年のリリース当時も相当に騒がれたバンドでしたし、全国的にヒットしておりましたので勿論耳にはしているのですが、

流行っているものを皆と同じように聴くのが嫌、とか訳の分からない自意識過剰な若気の至りと、Red Hot Chili Peppersというバンドの派手なビジュアルイメージが先行して「やかましい若者」の為の音楽という認識でした。
当然、当時の僕だってただの「やかましい若者」だったワケなのですが。

 


 

そんな先入観の中、勧められて初めて聴いたこのアルバム。
ロックバンドのアルバムにここまでインパクトを受けたのは初めてでした。
僕と同い年ですから当時21歳のジョン・フルシアンテの多彩なギタープレイがめちゃくちゃ格好良く、これは今聴いても尚ワクワクします。
テクニシャンのチャドとフリーのリズム隊のグルーヴ感、何より楽曲が素晴らしいし、アルバム通して音がめちゃくちゃいい。
ドキュメンタリービデオにもありますが、レコーディングスタジオではなく洋館に機材を持ち込んで、合宿のように泊まり込みながらジャムセッションから全ての曲が出来上がっていったのだといいます。
30曲以上レコーディングされた中から絞り込まれた17曲、本当に捨て曲無しで、文句なしにアルバム通して楽曲のクオリティーが高く、バンドとしてのいい意味でラフでグルーヴ感のある演奏がアレンジも含めていい感じに凝縮されています。

 

ファンクとハードロックとHIP HOPの融合なんて言われますが、まさにいいとこ取りで、それが音楽としてもちゃんと成立しているのが素晴らしいと思います。
このアルバムは僕的には、BEATLESの「サージェント・ペパーズ」と同じくらいにロックの金字塔として評価されていいんじゃないかと思ったり。

今日のBGMは、そんな’91年「Blood Sugar Sex Magik」アルバムの中から、ファンキーなこの3曲を続けてどうぞ。

 

 

その後の僕の人生、いろんなジャンルの音楽を聴くようになったのは、間違いなくこのアルバムを聴いたきっかけによる影響が大きいと思います。

人生のきっかけってどんなところに潜んでいるか分かりません。
苦手だなーって思っていても、いざ思い切って飛び込んでみたら物凄くのめり込む事だってあるかも知れません。
チャンスは思わぬ時期に思わぬタイミングで訪れるものです。
いくつになっても、新しい事に挑戦していきたいものですね。
ではまた次回!

 

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